07.03
2次大戦・ベトナム戦争 米軍キャンティーンカップ
最近メスティンなどの軍用食器でキャンプを楽しむ方がいて、キャンティーンカップも人気があります。キャンティーンの下にはめ込んで携行するもので、兵士がほかのすべての装備を捨てて水筒だけが残っても湯は沸かせますし、フライパン代わりにして最低限の調理はできる、という装備です。その意味でミニマリストの方には魅力があるのでしょう。
雪があれば沸かして飲料水が作れます。経験した方は分かりますが雪だけではのどの渇きを潤すのは難しいです。
1次大戦から現在まで使用されている息の長いアイテムです。バリエーションを順次紹介していきます。第1次大戦のものはこちらで紹介しています。
第2次大戦末期のSM Co.1945年のものです。ステンレスですが磁石にはほとんどつかない素材です。水筒本体と同様、アルミが戦略重要物資になってからステンレスへの変更が行われましたが切り替えがはかどらず、結局終戦時までアルミ製も生産されました。ステンレス製はメーカーにもよりますがおおよそ220グラム、アルミ製は180グラムの重さです。仕入れルートの関係でこれまで沢山扱ったことがあるのでバリエーションを紹介します。
同じSM Co.1944年のものですが、こちらは兵士がコツコツと手で磨き上げたものです。戦場での暇つぶしというか、不安解消なのかわかりませんが当時水筒とともによく見られるものです。ポリッシュドと呼ばれます。
FOLEY MFG.ステンレス製
こちらは1942年のFOLEY社のもので、表面のメッキがはがれ地色のグレーが露出しており、ステンレスではなくメッキ加工の可能性があります。内側はメッキが残った状態です。
こちらもスチール素材のメッキ加工と思われますKM Co.1942製
EDWARD KATZINGER Co.1943年 こちらも錫メッキと思われます。いわゆるブリキの表面ですね。
TACU社1941年 メスパンなども作っている会社です。マットグレーっぽい色調で厚いアルミ製です。
同じTACUの1941年のものですが、白っぽいマットシルバーの色調です。
TACU1945年の戦争末期のものですが、アルミニウムそのままの表面です。
M.A.Coアルミ製 ハンドルはスチールで錆があります。
EA Co.アルミ製
こちらは戦後の1953年のA.S.Co. ステンレス製
1951年DAZEY CORPORATION製 キャンティーンカップ全般的に50年代は生産が少なかったようで、あまり数が出てきません。
ベトナム戦で多く見られるWCWの刻印のものです。分厚いステンレス製で270グラムあります。
WCWの支給時のビニール入りです。袋の口は閉じられていません。以前ベトナムでこの状態で倉庫から大量に見つかり100個ほど買い付けました。1971年のものです。
ME Co.製 こちらも260グラム強あります。
珍しいグレーの表面仕上げのベトナム戦時の契約メーカーのものです。TRICO MFG.製
こちらもベトナム戦時のものでINGERSOLL PRODUCTS社 重さ約220グラム
おなじものの袋入り未使用です。
珍しい生産年入りです。HAMILL MFG.Co.1963年
こちらも生産年が入っています。メスパンやフィールドストーブなどの納入メーカーRogers Akron社1965年 ハンドルに錆があり、スチール製であることがわかります。
Rogers Akron社1965年のものですが、韓国軍で使用されたものです。ハングルでアーミーと書かれています。
このメーカーは初めて見ました。1966年の年号入りでARROWというニューヨーク、ブルックリンの会社です。
1980年代頃になるとワイヤー製の左右に開くハンドルに変更されます。WYOTT製年代表示はありません。
1988年PAC FAB製
フランス軍の50年代以降のものです。アルミ製ですが上記のものとほぼ同じ構造です。ALUMINUM ABOURGEATの文字と紋章の刻印があります。
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