2022
03.09

米軍ユーティリティーシャツ(ベイカーシャツ、ベイカーパンツ)

Vietnam

ベトナム戦時を通して使用された2ポケットのシャツです。1950年代から70年代まで大きな変更なく使用されましたが小さな変更は数多くありました。今回まとまって入荷したので、順次バリエーションを紹介します。

これは最初期の部類に入る1950年代までのもので前合わせは6ボタン(折り返す部分含む)で襟のタグが無くスタンプだったものです。袖はストレートでタブやボタンはありません。胸ポケットの下は角を切り取ったデザインですが、ポケットの蓋は四角です。ボタンは茶色です。

ウエストは細く改造(モディファイ)されています。左袖の現在の部隊を示すSSI(ショルダースリーブインシグニア)は特殊部隊、右袖の以前所属して実戦参加したことのある部隊を示すコンバットパッチは82空挺師団のものです。

ベトナムで活躍した第1師団隷下の第26歩兵連隊のポケットパッチ付きシャツです。右胸にネームテープの跡が無く、左胸のARMYテープの上にネームテープと思われる跡があります。ボタンは茶色です。

最初期型のモディファイド(改造)モデルです。前2か所、背中3か所に縦にテーラードされたラインがあり、エポレットと袖ポケットが追加されています。階級章の付け方も2次大戦時のユニフォームに見られる飾り縫いです。

こちらも初期のものですが1960年代からスペックがスタンプから白いタグに代わり、ボタンの色もグリーンに変わります。1963年製です。襟の准尉階級章は生地の直接刺繍したダイレクト刺繍で、胸のエアクルーウイング、白のネームテープ含めてベトナムのローカル刺繍です。テープは黒と黄色の化繊のものです。米軍で戦闘経験のある准尉で、その後第6軍配属になっています。上のものと合わせて1stパターンと呼ばれています。

61年の初期型で、タグの記載はDA-36-243-QM 8863-C-61となっています。MACVのカットエッジパッチ、少佐階級章、対空砲兵兵科章が付いたフルパッチのものです。

上下セットで見つかったものです。

62年製の初期型です。US ARMYテープは黒と黄色ですが、コットン刺繍タイプです。ネームテープはODのテープに文字をスタンプしたタイプです。白地のものとともにこのパターンのものも使用されていました。

 

第7軍のものですが、大幅に手が加えられています。左袖にペンポケット、右袖にスモールポケットが追加され、ストレートの袖にボタン留めのカフを追加しています。さらに身幅を詰めているのですが、再度の縫い目ではなく背中のパネルを縦に4分割して縫い合わせて幅を調整しています。この方法は初めて見ました。駐留地のドイツで行われたのでしょうか。

第11空挺師団のエアアサルト(AIR ASSAULT)タブ付きパッチが付いたファーストタイプユーティリティーです。この師団は2次大戦直後日本に進駐していました。その後、1963年に当時空挺に代わり実験段階だったヘリによる戦術の実験部隊となりました。その期間の珍しいパッチで、1963~65年の短期間のみ使用されたタブです。その後この師団の大半は第1騎兵師団に引き継がれ、ベトナム戦争に参加しました。

173空挺旅団のものです。カットエッジの旅団章とタブで、ジャンプウィングは初期のカーキ生地のものです。タグに上にスタンプが押され文字が読めません。

63~4年頃の袖に調節タブが追加された2ndタイプです。このパターンからポケットのフラップが6角形になります。1964年製でファーストロジスティカルコマンドの手刺繍パッチ付き、前部隊を示す右のコンバットパッチはUSARVNのローカルメイドです。この組み合わせはファティーグにもありましたね。

こちらはよく見られるベトナム戦争当時の空軍のシャツです。ラベルが外されていますが、1964年頃のものです。袖はストレートのボタン無し、ポケットもポケットプラップも四角の下側の角を切り取った形状です。ボタンは平ボタンで、3rdタイプと呼ばれているものです。

海兵隊スタンプの入った3rdタイプです。コントラクトNo.5743のみの表示です。

同型の第1歩兵師団第101サポート大隊のポケットパッチ付きシャツです。1965年のものです。すべてのパッチを手縫いで取り付けてあり、ポケットパッチもうまくポケットを貫通せずに縫い付けられています。

第5歩兵師団の中尉のものです。総刺繍のカスタムのネームテープが付いています。エポレットも追加されています。

空軍のパイロットのものです。全て現地製の手刺繍の徽章です。コマンドパイロットの中佐のものです。DSA-1ナンバーでポケットもポケットフラップも5角形になります。4thモデルと呼ばれます。半袖にカットされています。

 

同じタイプのDSA-100-1351 1966年頃のものです。胸にジャンプウィングが直接刺繍されています。101空挺師団の将校のものだったようで、はがしたパッチの跡が残っていました。このタイプから袖がボタン留めになります。

第7歩兵師団の大尉のものです。すべてローカルメイドのサブデュードパッチが付いています。DSA-1-8351 1965年の4thタイプです。

こちらは元ベトナム従軍者の機甲兵科の大佐のロットに上下5セットほど入っていたものです。このようにベテランの家にまとまって残っていることが多いです。戦後に着用していた80年代の黄色ラベルの上下です。コットン/ポリエステルの混紡生地です。左袖に第5軍、右袖のコンバットパッチはMACVとなっており、当時の機甲部隊のアドバイザーだったものと思われます。

同じ大佐のベトナム戦時の上下でパンツは1969年のものです。戦後に左袖のパッチを機甲師団のものから第5軍に付け替えてあります。シャツの形状はポケットもポケットフラップもホームベース型で袖に常設ボタンあり、ボタンはファティーグと同じ形状で5thタイプと呼ばれるものです。

第173空挺旅団の中尉のものです。コンバットパッチは第18工兵旅団です。DSA-100-3723 1966年頃のものです。

 

1968年 5thパターンのSEABEES(海軍工兵隊)の半袖シャツです。海軍らしい青のテープがきれいです。胸の刺繍と両方のテープの刺繍が同じ書体なので1つのお店でまとめて刺繍してもらったものの様です。

こちらはPX品のノーアイロンパンツです。

5thタイプで海兵隊で使用されたものです。1971年のものです。サイズタグも残っていました。

空軍の83年の黄色ラベルのものです。パッチの数が多いですね。右ポケットに戦略空軍、左ポケットに第42爆撃ウィング、胸に第42フィールドメンテナンススコードロンのパッチです。

 

1950年代後半から60年代前半頃のUSMCユーティリティーシャツです。独特な隠しボタンデザインでP-58とも呼ばれます。1960年製

こちらは1958年のものです。

 

ユーティリティーはPX品が多く存在します。いくつか紹介します。

FRUIT OF THE ROOMの軍用品らしからぬタグのついたシャツです。こちらは13星のメタルボタンですが通常のプラスチックボタンのものもあります。

こちらはおなじみのBVDブランドのものです。海軍工兵隊SEABEESのものです。

Trooperブランドのものです。当時PXで売られていたメジャーなブランドです。ポプリン素材の薄手のシャツです。空軍のエアリフトコマンドのもので反射テープが縫い付けられています。

珍しい1967年の空軍の戦略ミサイルクルーの専用シャツです。タグにShirt Men’sMissile Combat Crew Alertと書かれています。右ポケットにパッチの跡があり、左ポケットには空軍の戦略ミサイルのクオリフィケーションパッチの跡があります。

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