2021
04.04

M1936 ピストルベルト(WW2ピストルベルト)

WW2 US

最近数が減ってきた感があるので、ベーシックな装備ですがバリエーションを記録しておこうと思います。2次大戦時の歩兵の大半は基幹小銃であるM1ガーランドを使用していたので、写真上の10ポケットのM1923カートリッジベルトを使用していました。それ以外の武器を使い歩兵やそれ以外の兵科ではピストルベルトを使用しています。将校は一部の兵はこのベルトにピストルホルスターを装着しますが、ほとんどの兵士は弾薬やほかの装備に使っていたので「ピストルベルト」という名前は通称だと思います。ベルト上部の鳩目穴にサスペンダーのフックを、下部の鳩目穴に装備品のワイヤーフックを固定します。

*以下ヘビーなコレクターのお客様からのアドバイスを転載します。

M1936ベルトは、製造年スタンプから判断すると1941年から1957年まで支給されたようです。(1940年より前のスタンプが押された個体は未だ確認されていません)。1942年でさえ、M1912ベルトの着用が普通に見られるので、大量のM1912の在庫処分に5年かかったということでしょうか。
製造を担当をしたメーカーは以下の7社と言われています。
Russell co.(RM.co)
S.Froehlich.co.(SF.co. inc)(フレーリッヒはドイツ発音で、英語ではフローリックと発音するようです。)
NASCO Awning
YALE
K.I co.
BM INC
JQMD(個人的には、未だ確認していません)
海兵隊には1941年にはRM.co、1942、43の2年間はSF.co. incの1社みが納入しました。いずれも、裏側にUSMCのスタンプがあります。44年以降は陸軍から供給を受けたようで、44年のUSMCスタンプ付きM36ベルトはフェイクです。
また、RM.co、SF.co.incともレンドリースでロシアにUSスタンプ無しのM36ベルトを納入しましたが、この里帰り品にUSMCスタンプを押したフェイクが流通しているので、注意が必要です。

S.Froehlich.co.(サム・フレーリッヒ)のスタンプがある1942年製です。1942年末期からバックルが真鍮から亜鉛合金に、43年から表示がS.F.Co.Inc.に変更されたそうです。

こちらは1943年のもので、目立つ大きな文字でS.F.Co.Inc.1943となっています。金属部は剥げたところがグレーに見える合金製です。

これもバックルが亜鉛合金のK.I.Co (Kellburn Industries Company)1942年製。未使用品です。

同じメーカーですが表示が異なりKELLBURN 43とスタンプされています。ランドリーナンバーのスタンプもあります。

以前アメリカのガンオークションで売られていたものですが、こちらも同様のスタンプがあります。

R.M.Co.1945年 バックルは亜鉛合金、スライドキーパーはスチールのタイプです。戦争末期のものですが色はライトODです。最大時110㎝ほどの長さです。

バックル金具はブラスでスライドキーパーはブラス製フラットのものです、RM Co.社の1942年製と思われます。白いペイントを縫った上に名前を書くのはよく見られますが、それにしてもいろいろ書き込まれていますね。

これもフラットのキーパーです。Nascoの1942年です。

Nasco1943年カーキ生地 これも合金バックルにスチールのフラットキーパーです。デッドストック品ですが若干緑青が出ています。

こちらも合金バックルにフラットタイプのスチール製のスライドキーパーです。1942年のスタンプのみでメーカースタンプは判読できません。

OD色の合金バックルのものです。キーパーがフラットでなく薄い素材で補強リブ(山)付きになっていますが、これは1944年以降に登場したものだそうです。 Nasco1944のスタンプがあります。

スタンプの形式にバリエーションがあります。下はどれもNASCO1944です。

カーキの合金金具のものです。メーカと年代が薄くて読めません。

 

これも亜鉛合金バックルです。R.M.Co.1944年

 

こちらは変わった生地のタイプで、横のリブ(溝がありません)。第2次大戦後期に見られるベルトです。

BM Inc.1944年 バックルは亜鉛でスライド金具は真鍮製です。個人番号がスタンプされています。

 

ブラス金具で山付の薄い素材のキーパーのものです。上のものは白ペイントにナンバーが書かれています。年号は読めませんがレクターの方のアドバイスによると「バックルについては真鍮が戦略物資に指定されたため、1942年末期から1945年までそれまでの真鍮から合金製に変更され、戦後再び真鍮に戻されました。よって、このベルトは戦後のものです。ちなみに、M1936 ベルトは1957年まで製造されました。」とのことです。

海兵隊のスタンプが入ったものです。SF Co.製と思われます。スタンプがにじんではっきりと判読できません。
   

 

 

1951年の未使用品です。M1936と書かれています。50年代のスタンプはこのように細かい文字が生地の溝に沿って印字されているので、ちょっと使用するとすぐに見えなくなってしまいます。

こちらも年代は読めませんが1950年代のものとも思われます。金具は全て真鍮製です。最大時105㎝

変わったところでMP/SPや儀仗兵などにつかわれるホワイトのピストルベルトです。前のドットスナップが付いていません。金具は全て真鍮製、最大時約100cmです。

こちらのMPや儀仗兵に使われるものです。Nasco社の1940年代のものですが年表示が読めません。通常のベルtのバックルとスライド金具を外し、ポリッシュされた金具に付け替えられています。

 

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