2020
11.09

カーキとOD(WW2米軍装備の色)

WW2 US

第2次大戦の米軍の装備を販売する際、私はカーキとODという区別をして説明しています。最近は色違いの記事が混ざった2トーンカラーのものが好きで、積極的に仕入れています。

ODはオリーブドラブの略でタンカラーとブラウンカラーとグリーンカラーを組み合わせた色です。この辺は深い話なので説明させていただきます。

実際に当時の軍の資料を見ると、カーキという表記はなくOD#3(明るいOD)とOD#7(暗いOD)の分類となっていて、1942年末または1943年頃からOD#3→OD#7に切り替えられた。となっています。

アメリカの大手のレプリカメーカーは「そもそも米軍装備にカーキという色調は存在せず、第1次大戦のM1910装備から米政府のスペックはODしか存在しない。現在コレクターがカーキと呼んでいるものはOD#3の色が褪色したものか、メーカーによる染色のばらつきを取り上げてカーキという別のスペックが存在していると思い込んでいるだけだ。」と言っています。実際にカーキKhakiと文書等で書かれているのはサマーサービスユニフォームぐらいで、M41フィールドジャケットなども生地の呼称はODとなっています。

左はライトODに、右はカーキに見えるのですが…

一方、一部のアメリカやイギリスのコレクターの間にはOD#3、OD#7、OD#9という分類で
OD#9 1941年以前のカーキ色
OD#3 1941年から1942年のライトOD色
OD#7 1943年以降のダークOD色
としており、41年以前にはOD#9という明るいカーキに近い色調があったとしています。

私も現在調べているのですが、このOD#9という色に関する当時の資料が見つからず、最初に紹介したアメリカのレプリカメーカの言うOD#3とOD#7しか存在しない、という説が正しいのではないかと思っています。

1次大戦の装備では、やはりODが指定されていますが、金色に近い色のものが多数あります。これはアメリカが急に世界大戦急に突入し、多数のメーカーに発注をかけた際、指定通りの染色が出来なかったため、と言われています。
2次大戦の装備の同じ1942年のOD#3指定であるはずのアイテムでもメーカーによるばらつきが存在し、また褪色する際グリーン系の色から薄くなるため日焼けや経年による変色ではOD#3のライトODがだんだんとカーキ色に近づくことが多いためです。
OD#9の書かれている資料と、その色調についての証拠があれば2つ目の説が正しいことになるので、お存じの方がいたら是非アドバイスください。


私の採用する説だと、下の2つはOD#3で上のもののみOD#7ということになります。

 

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