2021
10.20

ケース サブマシンガン クリップ

Vietnam, WW2 US

M3グリースガン用のショルダーアムニッションバッグです。大きく45口径サブマシンガンのクリップ(マガジン)用と書かれています。こちらは防水加工したオイルドコットン製ですが、通常のコットンキャンバス生地のものもあり、同型のものが2次大戦後も使用されました。1970年代から同じ形のナイロン製のものも登場します。

  

表面の表示が違うだけでカービン用のマガジンケースもあり、また特に用途の表記がないものもあります。それなら初めから用途を書く必要もないような気もしますが。

サブマシンガンのマガジンなら5、6本入ると思われます。箱ものを入れたとき引っ張り出しやすいようにインナーにストラップが縫い付けられていますがマガジンポーチとして使用する場合は絡んで使いにくいためこのようにカットされているものが多いです。

よく見られる大型のBAG CARRIER AMMUNITION(左)と比較した写真です。こちらは蓋がストラップ留めで30口径の金属製弾薬箱が入るサイズです。2まわりほど大きい造りでした。厚みが全く違いますね。

 

私は最初CAL45 SUB MG.バッグはベトナム戦頃のものと思っておりました。

常連のお客様からの詳細なアドバイスです。

この弾薬バッグは、1944年9月にM4A3シャーマン戦車の備品として採用されたM3グリスガン専用のマガジンバッグです。
1944年9月付のテクニカルマニュアルTM 9-759に以下のように使用法が指示されています。

TANK, MEDIUM, M4A3
d. Caliber .45 Submachine Gun M3.
(1) Ammunition.
Cal.45,rounds (in 30rd.) clips D35506) ……900
(2) Equipment.
Case, cal. .45 submachine gun clip …….. 5
In case D90242 2 in turret under radio, 3 in right front spare parts box

グリスガンがシャーマン戦車の装備品に採用されたのは、ストックが伸縮できるコンパクトな短機関銃で狭い車内向けだったからでしょう。フルロードの5本のマガジン入りバッグを砲塔内の無線機下に2つ、スペア部品箱の前に3つ装備するように指定されています。

グリスガンが採用されたのは戦争末期だったため、歩兵用のマガジンポーチの採用は間に合わず、当時の記録写真を見ると、マガジンを2,3本ビニールテープで連結したりズボンのポケットに無造作に突っ込んでいる写真が多いです。トンプソン用ポーチとはマガジンサイズが異なるので共用はできなかったようです。
このマガジンバッグは、戦後も形状や材質を変えながら1970年代まで使用されました。

以下のサイトのPDFファイルにこのバッグに関する詳しい記事があります。
http://90thidpg.us/Research/Original/M3intheETO/index.html

コメント

    • Schutze600
    • 2021年 10月 20日 6:59pm

    この弾薬バッグは、1944年9月にM4A3シャーマン戦車の備品として採用されたM3グリスガン専用のマガジンバッグです。
    1944年9月付のテクニカルマニュアルTM 9-759に以下のように使用法が指示されています。

    TANK, MEDIUM, M4A3
    d. Caliber .45 Submachine Gun M3.
    (1) Ammunition.
    Cal.45,rounds (in 30rd.) clips D35506) ……900
    (2) Equipment.
    Case, cal. .45 submachine gun clip …….. 5
    In case D90242 2 in turret under radio, 3 in right front spare parts box

    グリスガンがシャーマン戦車の装備品に採用されたのは、ストックが伸縮できるコンパクトな短機関銃で狭い車内向けだったからでしょう。フルロードの5本のマガジン入りバッグを砲塔内の無線機下に2つ、スペア部品箱の前に3つ装備するように指定されています。

    グリスガンが採用されたのは戦争末期だったため、歩兵用のマガジンポーチの採用は間に合わず、当時の記録写真を見ると、マガジンを2,3本ビニールテープで連結したりズボンのポケットに無造作に突っ込んでいる写真が多いです。トンプソン用ポーチとはマガジンサイズが異なるので共用はできなかったようです。
    このマガジンバッグは、戦後も形状や材質を変えながら1970年代まで使用されました。

    以下のサイトのPDFファイルにこのバッグに関する詳しい記事があります。
    http://90thidpg.us/Research/Original/M3intheETO/index.html

    • Schutze600
    • 2021年 10月 21日 9:16am

    追記
    先に「フルロードの5本のマガジン入りバッグを・・・」と書きましたが、5本では総数の900発と合いません。
    6本ではないかとも思いましたが・・・
    グリスガンの装備数は5名の乗員分だと思われます。
    銃に1本差してあるのでこれを入れれば900発になるので、バッグに入っているのは5本と判断しました。

  1. この記事へのトラックバックはありません。