2023
01.23

WW2 USMC M1936ベルト / 海兵隊支給ピストルベルトについて

WW2 US

先日オークションにSF Co.のベルトを出品させていただきましたが、M1936ピストルベルトの海兵隊支給品について、大変詳しいコレクターの方から詳細な情報を頂きました。

こちらで少しずつ紹介いたします。

ピストルベルトにUSMCとメーカースタンプが入ったのは1939年からだと思われます。
USMCマークはそれ以前にもあるようですが、年代等が特定できません。
M1912 ベルトの納入メーカーはRM.COで、当初は、陸軍のUSスタンプのように表面に「U.S.M.C.」がスタンプされていました。そのため、文字がサイズ調整用のアイレットに被らないようにUSと
MCの間に1文字分のスペースが空けられています。写真のように陸軍の「U.S.」スタンプと同様、ベルトの表側にスタンプが押されています。

1942年11月、ミッドウェイ島の海兵隊駐屯地で写されたものです。将校のベルト表側にUSMCスタンプが確認できます。
中央の兵士はM1ライフルを持っていますが、他の兵士はスプリングフィールドM1903です。この時期ライフルの更新はまだ不完全だったことが伺えます。
ヘルメットも更新期ですね。ガスマスクは海軍のMk IIIでしょうか?
39年末期には、既にスタンプが裏側に移されています。
1941年になるとベルトがM1936に更新されますが、RM.COが納入したのはこの年までです。


1942年から43年の2年間はSam.Froerich.Co社が納入しました。 
最初から裏側にスタンプすることが前提なのでRM.COのような、USとMCの間にスペースはありません、また、スタンプのインクが非常に不鮮明なのが特徴です。
   
 
こちらはデッドストックで保管されていたものです。よりスタンプがはっきり見えます。背面に他のベルトのスタンプによるものと思われるインク染みがあります。
   
1942年末期からメーカーの表記がSF.CO.Incに変更されました。スタンプを押す場所に厳密な指定があったわけではなさそうです。
メーカースタンプはマグポーチ用スナップボタンの上にあったり下にあったり、はたまた左にあったりで、ボタンの上下に押されたスタンプには文字の上下が切れているものも多数あります。
USMCスタンプは、きちんとまっすぐ押されたものはまれで、斜めに押されたり上下逆さまに押されたものも多数・・・むしろこちらのほうが多いです。
恐らく、位置決めのゲージがあるわけでもなく、パートのおばちゃんが、脇にスタンプ台を置いてゴム印を適当にポンポン押していたのではないでしょうか・・・
これほどいい加減だと、逆にフェイクを作るのは難しいかもしれません。
一番下のものはRM.CO 1941です。
1944年に写された海兵隊兵士の写真ですが、USMCスタンプが上下逆さまで斜めに押されたSF.CO.Inc 1943のベルトの裏側がはっきりと確認できる貴重な写真です。


1944年に写された将校が兵士を閲兵する写真ですが、すでにUSマーク入りの陸軍のベルトを着用しているのがわかります。どうせ、マグポーチで見えないからこれで良いだろうという判断だったのかもしれません。

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