2020
07.05

米軍 オールメタル ポケットナイフ(MIL-Kナイフ)

Vietnam, WW2 US

ハンドルが金属製の4徳ナイフは米軍が2次大戦時に採用し、使い続けられている息の長い装備です。Knife pocket utilityというのが正式名称のようですが、MIL-KとかDEMOナイフとも呼ばれます。ハンドルが金属なので頑丈で、そのまま湯に入れて殺菌することも出来ます。

2次大戦時はハンドルがアルミ製でしたがその後ステンレスや合金製となっています。同じスペックで各メーカーに発注したのですが、メーカーごと時代ごとに細部が異なります。

各モデルを順次紹介していきます。

こちらは1986年のみ納入された珍しいQueenカットラリー社のものです。ほかのナイフより全体にごつい印象で、ブレードも幅が広くハンドルも厚みのあるステンレス板から作られています。角部分がシャープで若干握りにくいですが個人的には軍用らしい無骨なつくりで、好きなバリエーションです。

こちら同じ年の納入ですがメインのブレード以外の位置関係が違っています。

1982年のシャレード社製

2次大戦時のものもほとんど形状は変わりません。下はKingston社のファーストパターンです。ナイフブレードとドライバーが同じ側についているのがファーストパターンと分類されています。こちらはスイベル部分にメーカー名が打たれていないタイプです。ハンドル中央に文字を打てる空白部分があります。空白のものは陸軍納入のものです。

同じくファーストパターンですが、スイベル部分にKINGSTONのメーカー名が打たれているタイプです。ブレードの根元にUSAの刻印があります。

ハンドルにU.S.Marine Corpsと刻印の入っているタイプです。こちらもスイベルにメーカー刻印はありません。

こちらはセカンドパターンと呼ばれるナイフブレードと缶切りが同じ側にあるタイプです。KINGSTONEの刻印がスイベルにあります。スイベルの反対側にUS-45という年代刻印が打ってあるものもあります。

背面にイニシャルが刻まれています。

セカンドパターンでUS MARINE CORPS刻印の入ったものです。このように刻印が入ったものは支給されたのではなく、PXなどで売られていたようですね。メーカー刻印は無いタイプです。

第2次大戦直後1948年のULSTER製で、スイベルに刻印があります。

別の48年のULSTERですがブレード付け根にSの刻印がありました。

ベトナム戦頃のULSTER製です。ブレード根元に刻印があります。刻印については何パターンかあり↓最下部に表を貼り付けましたが、残念ながら年代がはっきりしないのです。

インペリアル社の1961年製です。ポリッシュが丁寧にされており、ブレードもハンドルもミラー仕上げに近いメーカーです。

インペリアル1967年製

こちらは1958年のカミラス製です。

1968年カミラス製

リーマー(穴あけ)の代わりに小さいペンブレードが付いたタイプです。ブレードにUSAの刻印がありますがメーカー名はありません。このタイプは軍では支給されず、戦後に余剰パーツを使って民間向けに製造販売されたものです。

カミラス社1980年のものです。リーマー(穴あけ)ブレードの先端が非常に鋭利です。

カミラス社1994年の海軍用でハンドルにUSNの刻印があります。

1995年のカミラス海軍用ですが、こちらがブレードのフラット部分とグラインド部分の分かれ目のあるホローグラインドの変形モデルです。

カミラス社が1996年にDURA TOOLという名で販売した、民間向けのナイフです。ハンドル長8㎝で2枚ブレードの小型ナイフです。ハンドルのすべり止めなどは軍用のものと同じ工程で作られています。

こちらも通常の軍用ナイフと同じハンドルで作られた3ブレード(ナイフブレードのみ)のナイフです。このsyのナイフはストックマン(牧畜業者)ナイフとも呼ばれ、ブレードによって細かい鋭利な刃物を必要とする作業と力を使う作業とに分けたり、あるいは3本鋭利なブレードがあるので長期にわたって研がないで使用できるなどの利点があるようです。ブレード刻印はありません。

WESTERN社のものです。カミラスがOEM生産したものともいわれていますが詳細は不明です。80~90年代頃のものと思われます。上の1995年のUSNのカミラスと同じ形のブレードです。

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