10.16
メスキット(メスパン・ナイフ フォーク スプーン)
メスパンはミートカンとも呼ばれます。食事を入れる食器です。これにナイフ、フォーク、スプーンが付いて一式でメスキットと呼びます。金属製で全体を煮沸消毒できるようにしてあります。
左が1次大戦時のもので全体に薄いデザインで本体と蓋はアルミ製、ハンドルはメッキした鉄です。
右は2次戦のものは本体、蓋、ハンドルすべてが亜鉛メッキの鉄となり、2次戦中盤頃に本体と蓋がアルミ製の物が登場しました。蓋部分も深く仕切りが作られています。
ベトナム戦時に入ってステンレススチール製に切り替わりました。
下の2次大戦のものはスチールのため若干錆があります。
1次戦のものは蓋が極めて薄く、実用的でないためより深い蓋のタイプも作られました。
2次戦のものはハンドル中央に、1次戦のものはハンドルの縁にメーカーと年号が刻印されています。
RIA(ロックアイランドアーセナル)1916年製 名前と部隊名が刻まれています。MG3は機関銃中隊または大隊と思われます。名前は活字の金属棒を当てて金づちで叩いて文字を刻みます。
WC Co.1918年製
LF &C Co.(Landers, Frary & Clark)1917年製
TUSA Co.1917年
ロックアイランドアーセナル 1918年 蓋にトレンチアートが彫られています。
1916年のものですがメーカー部名部分が判読できません。2次大戦時と同じ深い底のものです。
同じく深底で1918年WS Co.のものです。
こちらは1941年のTACU Co.製でハンドルの形状は1次大戦のものと同じ分厚いもので、縁部分に刻印があります。
同じTACU Co.のものですが1942年になるとハンドルがWW2型のプレス製になっています。初期に見られるスチールに錫メッキ製で一部変色してこの様な渋いダークグレーの色調になっています。
同様の錫メッキタイプです。社名がはっきりしませんがFOLEYと思われます。M-1943の刻印があります。
1945年MASSILLON ALMINUM製 アルミのメーカーですが、このメスパンはステンレス製です。
1942年KNAPP-MONARCH Co. スチールメッキ製
1945年AGM Co.製のアルミ製です。
1944年LEYSE社アルミ製
ベトナム戦時のものです。ベトナム戦当時のもののほうが2次大戦のものより生産数が少なく見つかりにくかったのですが、最近あるストックからたくさん入手できたので順次紹介していきます。REGAL社1966年製
同じ1966年T/I-M&C製
1965年Carrollton Mfg. Co.製
1965年TRICO社ステンレス製。直接火にかけて調理ができるので、火にかけられた黒ずみがあります。
1960年G.G.GREEN社製
80年代も同じ形状です。1982年SMP製
2次大戦時のアルミハンドルメスナイフに手作りシースが付いています。
ナイフとフォークはこのような専用のレザー製の鞘がありました。革を縫い合わせたのみの簡素な造りで、大きさもまちまち、裏革のものも表革のものもあります。
こちらのフォーク用は表革です。
こちらはメスキットを入れるミートカンポーチです。
こちらは後期の縁テープがナイロンのポーチ入りセットです。自作でストラップが追加されています。
第1次大戦時のミートカンポーチです。シンプルなメタルボタン留めで内側のポケットも1つのみです。
1次大戦時のナイフフォークスプーンです。ハンドルに穴が開いていません。ナイフは丸みの無いストレートハンドルで、フォークとスプーンのハンドルはハート形のリブ溝が入っています)。ナイフはロックアイランド(RIA)製、フォークとスプーンはWallace Brothers Co.(WBW)製で全て1917年のものです。
ナイフはLF&C1917年、フォークは1918年とスプーン1917年どちらもWallace Brothers Co.(WBW)製です。
このスプーンもWBW1917年のもので、兵士の認識番号が打刻されています。
WW1のフォークでWBW1918の刻印があります。
メッキがきれいに残っているWB1917年のものです。
2次大戦初期のセットです。後端に穴が開いたタイプですが、ステンレスではなくスチールに錫メッキです。メーカー刻印はありません。
同じく2次大戦初期のフォークですが、少し黄金色に近いストローカラーの仕上げのものです。
典型的な2次大戦時のナイフフォークスプーンセットです。フォークスプーンはダイヤマークにDSの刻印がある、DS(Diamond Silver Company)製、ナイフはアルミハンドルにBの文字が入っています。
フォークはWALLCO社、スプーンはSILCO社製
プラスチックハンドルのナイフと(SILCO製)無刻印のフォークのセットです。
LF&C1941年製 プラハンドルナイフです
こちらはベトナム戦争頃のセットです。ナイフがすべて板状のタイプに切り替わっています。ナイフはUC Co. フォークはSKO Co. スプーンはWALLCO製
ブレードの形状をかえて通常のナイフのように改造したものです。ハンドルの噴水のようなマークはインターナショナルシルバー社(旧SILCO)のものです。
こちらは同じものの未使用品です。支給時の状態ですがちゃんと刃が付いています。
1917年LF&C製 こちらも先端をボウイナイフのように改造しています。
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