12.12
ベトナム戦エントレンチングツール(塹壕用シャベル/スコップ)
エントレンチングツールは塹壕(トレンチ)を掘るための道具です。塹壕堀りは兵士にとっては命を守る大切な作業で、あらかじめ時間をかけて身を隠す穴を掘っておけば、銃弾や破片にあたる可能性が大きく減ります。
今も昔も似たようなシャベルで土を掘ります。ベトナム戦争当時のものは第2次大戦のものとほぼ同形の2つ折りですが、シャベル部分が先端から丸くカーブを描いているのと、シャベルのほかに折り畳み式のピッケル(ツルハシ)が付いているのが特徴です。
ベトナム戦争では陣地戦が少なかったためエントレンチングツールの携行率が少なく、生産数も第2次大戦より少なかったため見つかりにくいアイテムの一つです。
カバーは斜めに銃剣を固定できるように作られています。1965年AMES社のものです。
1968年AMESの未使用品です。
1952年のH-W製です。ベトナム戦の装備一式の中に入っているシャベルでも、1952年代のものが多くこの頃大量に生産されたのだと思います。
GERDEX CO 1964年製
こちらはシャベル先端が丸いカーブでなくホームベース型で、かつピッケルが付いています。一見、珍しい2次大戦のM1943型のピッケル付きに見えますがMADE IN KOREAの刻印があります。民生品か韓国軍のものと思われます。
カバーにもいろいろバリエーションがあります。こちらは1M1956型の最初期のもので蓋裏側の補強布が縦に1本のみです。また本体内側中央の補強のためのレザーテープがありません。1961年製
1962年
こちらも同様のタイプですが、カーブ部分の補強リベットが4本打たれています。1959年製
これはDSA-1ナンバーの1965年のものですが、蓋裏側の補強テープが3本になっています。
1967年のデッドストック(未使用品)です。面白いことにこちらは裏の補強テープが両脇のみになっています。
M1943と呼ばれるタイプですが、ベトナム初期に使用されていることが多いです。こちらはM1956型と同じドットスナップで蓋裏側の補強が1本です。USマーク以外のスタンプがありません。
こちらは66年のAMESのツールに、M1943カバーが付いた状態で使用されいたものです。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。