12.20
マルチツール(レザーマン、ガーバー、SOG、アルマー、ビクトリノックスなど)
最近キャンプに行くと、マルチツールを持っている方を見かけます。昔はスイスアーミーナイフの独擅場だったものが、レザーマンなどのプライヤー付きツールがヒットし日本でも浸透したようです。アメリカだと鍋や熱いものをつかんだりするのにカウボーイさんたちはプライヤーを持っていることも多く、アメリカで早く広まりました。もともと日本ではキャンプにプライヤー(ペンチ)を使う文化は無かったのですが、1994年か1995年頃にアメリカに買い付けに行った際、ニューヨークのアウトドアショップでかなり悩んだ末こちらを30ドルほどで購入し、今も使っています。レザーマンは1985年に一般発売され、当時はポケットサバイバルツール(PST)という名称で1モデルしかありませんでした。レザー製のポーチはほとんど使わないのできれいなままです。ナイフブレードはあまり硬度が無くてしょっちゅう砥ぎなおしたのでだいぶ砥ぎ減りしてきました。145g ハンドル長10㎝
そのハンドルをさらに折り畳めるようにして小型化を図ったMINI TOOLです。
その後に登場した、上記のツールを一回り大きくしてヘビーデューティー使用を意識したSUPER TOOLです。プライヤーもカッター替え刃式ではなく、見た目PSTにそっくりです。各ツールのロックも現在のもののような、てこ式ではなく単にハンドル材をバネ代わりにした簡素なものでナイフブレードなどの長いツールのロックを解除するには、他のツールを起こし気味にしてバネを押さえてから閉じるという原始的なものです。245g、ハンドル長11.5㎝
マルチツールの最初期のものの一つが、第2次大戦中の工作員用 OSSエスケープツールだと思います。これは鉄条網などをカットするプライヤーにツールを加えたもので鎖や鉄の柵などを切断するため折れやすい金属用ノコ刃が3枚もついています。こちらは逃げることに特化したモデルでしたが、1980年代後半にアルマーがデザインを洗練させてアウトドアツールとして再生させました。
レザーマンはこれとは別の流れでプライヤー式ツールの重要性に気付き、1980年代に試行錯誤してバタフライ式のデザインを発明し特許を取りました。
HISTORY OF LEATHERMAN | LEATHERMAN TOOL JAPAN Official Web Site (leatherman-japan.com)
最初期のものですが、基本構造は現在のものと変わりません。
その後、民間用軍用ともにプライヤータイプのマルチツールが全盛となり、GERBERやSOGなど多くのメーカーがこの市場に参入していきます。
SOG社のパワーロックシリーズです。powerという名称がつくモデルは支点が2重になっており、より強い力で握ることができます。さらにlockの名の通り各ツールがスプリングでロックされる構造です。プライヤーにしたとき握りやすくするため各ツールの外側にカバーが付いています。後発のメーカーは、差を出すため色々な機能を追加しているようです。
パワーロックシリーズの最初期のモデルです。ハンドル外側のカバーが無く、プライヤーがニードルタイプでなくごつい形状で、閉じたときに大きな3角形の隙間ができるのが特徴です。
ナイフメーカーのシュレード社が2000年頃に発売したバイスグリップのハンドルにナイフとビットタイプの本格的なドライバーが付いたツールです。小さいナイフブレードはワイヤーストリッパーが付いていて、工具的なマルチツールです。全長約17㎝、240g
ガーバー社のMPT(Military Provisional Tool )です。元々GERBER社は片手でプライヤーを出し入れできるスライド式モデルを作っていましたが、90年代に軍用としてレザーマンとのコンペが発生したため、レザーマンと同様のバタフライ式を作りました。
ガーバー独特のスライドタイプです。ボタンを押してスライドさせることで片手でプライヤーのノーズ部分を露出させることが可能です。MP600と呼ばれるモデルで、こちらはニードルノーズではなくブラントノーズというごついプライヤーが付いたものです。
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