07.13
HBTジャケット、HBTトラウザース(古着 ミリタリー)
HBT(ヘリンボーンツイル)生地は米軍では1938年のカバーオール(つなぎ)から導入され後に夏用のジャケットパンツに採用されました。欧米では織りの柄がニシンの骨に似ているためヘリンボーン、日本では縦にして杉の木に似ているから杉綾織りと呼ばれています。
ソフトで頑丈なため、アメリカ以外の各国でも使用されている生地です。米軍では戦後、1950年代頃まで使用されました。日本では古着屋さんが目をつけてファッション性を強調して販売しているため人気があり、アメリカでもそれにつられて価値が上がってきているようです。最近扱っているアイテムが古着屋さんと被るようになってきました。
こちらは1947年の未使用品ですが、ホチキスでタグが無数につけられています。
こちらはウイメンズジャケットで、女性用のデザインです。前合わせが逆なのと、ウエスト部分が絞って縫われており胸部分がゆったり作られています。Mのサイズタグしかありませんが、2次大戦後のものです。
上のものと同じつくりですがこちらは1945年の戦時中のものです。黒い2つ穴のボタンです。
HBTというと13つ星のあるメタルの13星ボタンと、大きなマチ付きチェストポケットのこのタイプが人気がありますね。古着屋さんでM-43と呼ばれるタイプです。これも細かくタイプ分けされていて
タイプA:1941年~42年頃支給されたもので、Gジャンに似たスタイルでウエスト部がベルトのように補強され、その部分に2ボタンが狭い感覚でついています。そのベルト部分に調整タブがあり、胸ポケットはマチ無しで小さく、端が斜めにカットされポケットに2つのプリーツ(折り返し)があります。
タイプB:後1942年頃支給されたもので、ウエストの補強が無くなり、胸ポケットが大型のマチ付きになりました。このタイプまでガスフラップはありません。
こちらのジャケットはガスフラップもつけられていた痕跡もないのですが、背面は切り返しのない1枚布の後期のタイプと同じ造りです。ポケットボタン内側にタグがあるのですが文字は消えてしまって読めません。裏側の襟の下に40Rのスタンプが見えます。2次大戦後期のものと思うのですが、ご存じの方いらっしゃったらご意見ください。
タイプC:前合わせのガスフラップと襟裏に対ガスフード用のボタン2個が追加されました。こちらは50~60年代に在沖縄の琉球コマンド(RYCOM)で使用されていたジャケットです。
同じM-43のパンツの方です。両腿の上ぐらい、側面のみにポケットがある変わったデザインです。ポケットにプリーツが無い初期のものです。
こちらは2次大戦中の海兵隊HBTジャケットです。センターに穴のあるドーナツ型の金属ボタンです。小さなフラップ付きのポケット、左右の胸にスリットタイプの大きなポケットが特徴です。M44とかP1944などと呼ばれています。WW2海兵隊の従軍者のロットをこちらで紹介しています。
詳しいコレクターの方からコメントを頂きました。
海兵隊のM44HBTは、45年1月から8月まで生産が確認されますが、WW2では、使用写真が硫黄島・沖縄いずれも全く確認できず、使用されなかったのではないかと思います。 このジャケットと対をなすパラマリンズボンのデザインを踏襲したお尻に大型ポケット付きのいわゆるM44モンキーパンツは、かなりの高額で取引されますね。 いずれも、朝鮮戦争の写真で確認できますが、多くは民間業者に放出されたようです。
その他のタイプは入り次第紹介します。
こちらは大幅に改造されGジャンスタイルにされたものです。背中にNELSON HEATERのステンシルがあるので、作業着として使われたものかもしれません。
こちらは13星メタルボタンの同様の加工をされたジャケットですが袖に第8軍のパッチの跡があり、軍で使われたようです。ネームテープはレギュレーションの反対側についています。これで注意を受けないのか不思議です。
こちらのWW2戦後に使われた改造モデルです。
コメント
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海兵隊のM44HBTは、45年1月から8月まで生産が確認されますが、WW2では、使用写真が硫黄島・沖縄いずれも全く確認できず、使用されなかったのではないかと思います。このジャケットと対をなすパラマリンズボンのデザインを踏襲したお尻に大型ポケット付きのいわゆるM44モンキーパンツは、かなりの高額で取引されますね。いずれも、朝鮮戦争の写真で確認できますが、多くは民間業者に放出されたようです。
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