XM166 ミニスモーク

Vietnam

ほとんど知られていない装備ですが、主に特殊部隊用に作られた超小型の煙幕です。通称もミニスモークとそのままで、直径３ｃｍ高さ４．５ｃｍとフィルムケースサイズです。

アルミの缶のふたを開けるとボール紙の筒が入っていて、その外側にマッチ箱側面の赤い部分と同じ加工がされています。中に花火用の導火線があり、その先端はマッチ棒の頭と同じ燐のボールになっています。これをこすりつけて発火させるシンプルな構造です。リングをしまうスペースの下にアルミのふたでカバーされた薬剤があります（実物を分解したことがあるのですが中に銀紙で包まれた火薬の小さな塊が入っていました）。当然火薬量が少ないので煙りの量も少ないです。

Dupont社で生産されたそうですがわずかしか作られなかった装備です。

特殊部隊でもMACV-SOGなどの敵地深くに潜入する部隊が脱出の際、ヘリを呼ぶために使われたようで４色作られており XM166 white, XM167 green, XM168 red,  XM169 yellow と珍しくカラーによって名称が異なっています。

10年以上前に、リエナクター向けにアルミのプレスでレプリカを制作しました。売り切ったと思っていたのですが時一部をベトナムから送られた箱にしまっていたままになっていたことが分かりました。内部パーツが残っているかわかりませんが探して順次オークションに出していきます。

こちらは実物です。缶に文字を直接印刷してありますが、これが当時ベトナムでトライしてもうまくいかず試行錯誤の末、現地の方のアイデアで透明シールに文字をプリントしたものを貼り付けることにしました。