2021
08.07

スネークバイトキット

Vietnam

ジャングルには毒蛇が生息しているため、太平洋戦争からベトナムにかけて米軍ではこの種のキットを携行することが多くなりました。毒を弱める血清ではありませんので、①傷口からの血の流れを抑え全身に毒が回らないようにする。②噛まれた傷口を切開。③血とともに吸出し。④雑菌を防ぐために消毒。という流れで対処する仕組みです。

左上のボックスタイプは2次大戦時から軍納入用のスネークバイトキットを作り続けてきたMSA社の大型キットです。

右下のものはCutter Hi-Lo Suction Snake Bite Kitという商品名でアメリカで60年代から広く販売され、ボウイスカウトでも使用されていたのでアメリカ人にはなじみのアイテムです。軍でも採用され、時々ジャングルファーストエイドポーチやメディカルバッグにも入っています。

(アメリカ本土にもガラガラヘビがいるのでこの手にキットはアウトドアは必携らしいです。)

このようにアウトドアショップでも売られていましたが、軍でも使用されていました。

中身はこのような形で、容器の上下とがゴムの吸出し機になっており、中の小さな容器も小さな吸出し機です。つぶして皮膚に押し付けて手を離すと中の血を吸い出す仕組みで、かまれた傷口を広げて出血を促すカッターと消毒液、毒の周りを抑制する止血紐が入っています。説明書の日付は1973年です。

同じCutter社の2次大戦当時のものです。基本の構造は変わっていませんね。

MSAのものは注射器型の吸出し機が付いて、より強力です。カッターも止血バンドも本格的でバンドエイドも付いています。

こちらはさらに大型で10.5cmx6cmx4.5cmのMedical Supply Companyのものです。

こちらは60年代の民生品ですが、当時の米軍メディカルキットの中に入っていました。

別のキットに入っていた吸出しポンプのみです。非常に強力でゴム部分をつぶすのに力が要ります。

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