01.21
ベトナム戦時M1ヘルメット(シェル/ライナー)
ベトナム戦時のM1ヘルメットです。基本的な形は2次大戦のM1と同じです。2次大戦の後半からシェルの形状が変わっていったのですがその辺は別の回で紹介します。シェル(外側の鉄帽)とライナー(内側のストラップのついた樹脂帽)に分かれています。シェルの色は1950年代後半頃からこのような明るめのグリーンに変更され、ざらざらのテクスチャーを混ぜた艶消し塗装です。ライナーもほぼ同じ色です。
こちらは戦争後期のセットでライナーの中のストラップにDSA-73 1973年の表示、着脱式のレザーヘッドバンドに1972年の表示があります。シェルの後頭部に縦の薄いクラック(ひび)が入っていますが、これは鉄のシートをプレスして成型する際に発生するもので、特に2次大戦時のシェルには多く見られるものです。
シェル(鉄帽)はフロントシームの2次大戦のものの再支給品で、1950年代頃に見られる明るいOD色のスムースペイント(コルクを入れないでペイントしたもの)です。内側は濃いODでペイントされています。ヒートスタンプは104Cです。ライナーは1964年のもので、表面塗装が剥げやすいタイプです。ヘッドバンドは68年のものです。
シェルはフロントシームの2次大戦時のものの再支給品で暗いグリーンのリペイントです。ライナーは樹脂のパターンが見える光沢のあるものにペイントしてあり、こちらも塗装がはがれやすい特徴があります。ライナーはDSA-1の表示、ヘッドバンドはDSA-100の後に4桁の数字のものです。ネックストラップが面白く、こちらのDSA-100の後に年代の入らないものですが”IF you don’t have a M60…”の書き込みがあります。その後の文字が読めません。
ヘルメット支給時に配られたパンフレットです。空挺ライナー用です。
典型的なベトナム戦時のシェルです。明るいグリーンで表面は砂をつけたように粒がはっきりした艶消し塗装です。チンストラップの金具はアンカーマークが打たれています。ヒートスタンプはI-1826で、2次大戦後の生産品です。
I-5666のヒートスタンプです。
2次大戦時のフロントシームのシュルーター製のベトナム戦時に塗りなおして再支給したものです。つばの裏側にのヒートスタンプがあります。
ベトナム戦初期から前半のライナーは2次大戦のものと同様に後頭部にスナップ金具のオスが4か所付いていて、この形のストラップを固定するようになっています。
ライナーにルーキー(新兵)のステンシルが入っています。ライナーは65年製、ヘッドバンドはHTB生地スタンプ無しの初期のものです。シェルはフロントシームの2次大戦時のものを再支給したものです。裏に名前が書かれています。
ヒートスタンプはSの文字のシュルーター社製でその下に233Aの刻印があります。1942年頃のものと思われます。
こちらは空挺用のライナーです。耳の前後を通し顎にかける、専用のチンストラップが付いています。内側にスナップボタンのメス側が付いてますが、シェルの専用チンストラップについたスナップに固定するためのものです。ベトナムで空挺降下はほとんど行われませんでしたが、空挺師団、旅団などの兵士はこのタイプのライナーを使っていることがあります。
シェルとライナーのセットです。シェルの空挺用チンストラップのスナップとライナーのスナップがはまりシェルが外れないようになっています。シェルの額のあたりの裏側に4383の刻印があります。
初期の内側のストラップを紐で縛るタイプのライナーです。2次大戦~朝鮮のものとほぼ変わらない構造ですが、ヘルメット前面に鳩目穴はありません。このライナーはウエスティングハウスのマークがありその上に104の数字が刻印されていました。ネックストラップはDAナンバー、ヘッドバンドとストラップの年表示は読めません。
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