2022
09.24

カオダイ教ベレー(ベトナム戦争と新興宗教について)

Vietnam

明日はビクトリーショーですが、そんな中でまたAmebloからの記事移動です。

今年いっぱいでAmebloにおいてあるNam-logのブログは閉鎖する予定です。

サイゴンから地図で言うと左上の方向にタイニンという省があり、カオダイ教はここを拠点としています。今もホーチミンから3時間弱のドライブで行けるためカオダイ教会は有名な観光コースになっています。新興宗教なのですが、ブッダ、キリスト、ムハンマド、孔子など全てを神と認めていて他の宗教のいいとこどりをしたような教団です。タイトルの教会内の画像を見ても分かるように様々なものがカラフルに飾られており、サイケデリックというか非常に明るいイメージです。

現在も300万人近い信徒がおり、ベトナム戦争当時も非常に強い勢力を持っていました。当時は2万人以上ともいわれる強力な軍隊も保有していたので、独立国家に近いものだったのだと思います。1950年代のゴ・ディン・ディエムが南政府の大統領だった頃、ディエムはカソリック教徒だったため仏教など他の宗教に迫害を加えました。これに対しカオダイは非常によく似た新興宗教のホアハオ教(こちらも数万の軍隊を持っていた)と手を結ぶ動きを見せました。これを警戒したディエムは1955年にこの2つの新興宗教に対し軍事行動を命じ、新興宗教側は武装解除されます(この時、カオダイの一部はカンボジアに避難しました)。

しかしその後、軍事力増強を図る南ベトナム政府にとって新興宗教の軍事力は着方にすると有益と考え、政府軍に編入されカオダイ軍となりました。カオダイ軍は南ベトナム政府軍(ARVN)の一組織となるので装備、制服、階級などは、政府軍と区別がつきません。唯一の特徴がこのカーキ色のベレーとベレー章となります。

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