10.11
AN/PAS-6 メタスコープ 赤外線ナイトビジョン
こちらはベトナム戦争で使用されたハンディタイプの赤外線ナイトビジョンです。武器には付けずに単体で近距離の監視などに使用されます。基地などでの防衛任務や、特殊部隊にも使用された装備です。赤外線ナイトビジョンは肉眼では見えない赤外線を照射する光源(ライト)と赤外線を可視化する受像器(ビュアー)から成っています。専用の特殊なフック金具のスリングもついています。
こちらは受像機の方で、他に大型の赤外線フィルターを付けたサーチライトなどがあればこれのみでも使用できます。呼び名は複雑でPAS-6 SU/43U または Varo No 9902E と呼ばれます。
ライトはこのような形状で、単一電池2本で光る懐中電灯のようなものです。レンズ部分に黒いフィルターがかかっていて、赤外線のみを照射するようにできています。MX-7987/PAS-6と呼ばれます。上の受像器の溝に差し込むとセットで使用できます。いわゆる昔の懐中電灯で照らせる範囲のみしか見えないため距離も僅かですし、見える範囲も狭い角度のみとなります。
気になる見え方ですが、試行錯誤して撮影してみました。約5メートル先の事務所の冷蔵庫の裏側とキッチンの写真です。カメラ側のピントがズレているのでぼやけていますが、実際に除くと左側にある黒い物体がコーヒーメーカーであることがはっきりわかります。色はこのようにグリーン系で濃淡しかわからないので色は判別できません。映画のようにグリーン部分が丸い画像になっていますが、これもカメラで写したためで実際のぞくと視野はもっと広いので丸い輪郭は感じられません。手元にMX-7987(ライト)は無いのですが、アマゾンでも売っている2000円代ぐらいの赤外線懐中電灯(肉眼で光は見えません)で照らすと20メートルくらい先まで人間などは判別できます。
60年以上前のものですが赤外線系のスコープ類は比較的壊れにくく、今でも使えるものがあります。
これら第1世代の赤外線方式は照射範囲の狭さと、光源が必要ということで過渡的なナイトビジョンとなり、その後の第2世代の光増幅式のスターライトスコープにとってかわられました。
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