2022
10.05

お客様の指摘で気付いたフェィク/レプリカ/複製品

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レプリカの見分け方云々を書いているくせに私がレプリカだと気づかず販売して、後にご指摘いただいたケースがあります。皆様の参考にもなると思い、恥ずかしながら記事にすることにしました。

先日オークションで高値で落札頂いたLLDB(南ベトナム特殊部隊)のポケットハンガーです。

裏地を縫い付けた状態でパウチされているので、パッチの裏の構造もパッチの表面の状態もわからない状態でした。通常裏に記事を縫い付けずにそのままらみねーつすることが多いです。しかし以前この構造の実物を扱ったことがあるので大丈夫と思っていました。

しかし虎の爪の部分の白い色が無く、何より同じものが他のショップ様でレプリカとして売られていたことが判明し、返送いただきました。パウチのビニール部分をカットし、裏地の縫い目をはがしてみました。

パッチ背面の裏糸(刺繍の際の下糸)の虎の部分が表側のシールド型のデザインの外側に左右に広く伸びています。このタイプは私が2000年代頭頃にベトナムで出回ったレプリカで、当時香港で作られたと聞いています。ちょうど別のレプリカパッチも手元にあったので並べてみました。裏糸の色は異なりますがどちらも複数お色が重なる部分の裏糸が左右にはみ出し、たるんでいます。

 

さらに言うと実物のシルクとは異なり、硬い張りのある質感のナイロンでできています。

これらは実物の写真です。爪がかぎ状に下に伸びています。裏糸も全く違う構造です。

もう1件ご紹介します。さらに以前に販売したラッキーストライクのWW2戦時のパッケージです。

こちらもお客様のご指摘で、地色が黒で印刷も不自然なのとセロファンパッケージが包みなおされているということで分解しました。以前印刷物のチェックの仕事をしていたことがあるので、専用の拡大鏡で見ると印刷ではなくカラーコピー(インクジェット)で作られたものでした(汚れも一緒にカラーコピーされていますのでそれらしく見えます。)。それを丁寧にセロファン包装しなおしてあり手の込んだレプリカ、というより悪意のあるフェィクでした。15年以上付き合いのある、アメリカでも有名な大手のディーラーさんから入ってきたものですがこのようなことがあるので気をつけなくてはいけないなと反省しています。

ミリタリアアドバイザーと謳っておりますが、熟練のお客様の貴重なアドバイスの上に成り立っていることを痛感しました。

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